日本水泳連盟は、日本国内のミズノ、デサント、アシックスの3社と2017年までのサプライヤー契約を結んでいるため、今年開催される北京五輪に出場する選手はこれらのメーカーの製品を着用することが契約上義務づけられているわけです。ところが、英国speedo社のレーザーレーサー(LZR RACER)を着用した海外選手が新記録を塗り替えて行くという事実が明らかになったあたりから、国内選手の中にもモヤモヤとした思いが徐々に鬱積していったようでした。水連は、サプライヤー契約を結んでいるメーカーに水着の改良を指示し、各メーカーもLZR RACERを追い越せとばかりに新製品の開発に鎬を削ったということでした。
そんな中、東京・辰巳国際水泳場で昨日開幕したジャパンオープンでは、LZR RACERの効果を試す選手が続出したようですが、驚いたことにLZR RACERを着る選手が5つもの日本新記録をマークしたというのです。国内メーカーの改良水着によって自己ベストを塗り替えた選手もいたということですが、日本新記録を叩きだした水着は全てがLZR RACERだったということは、関係者‥特にメーカー3社にとっては衝撃的な結果だったに違いありません。この結果を受け、水連は選手たちが北京五輪でLZR RACERを着用することを容認する方向に動くようですが、サプライヤー契約問題から選手を保護する役割も果たしていただきたいものです。
人々の注目がLZR RACERに集まる中、写真の北島康介選手は、三カ国語で「I AM THE SWIMMER」「泳ぐのは僕だ」「是我在遊泳」と書かれたTシャツを着て、記録を塗り替えるのは選手であることを主張したようですが、それでもLZR RACERの実力には感嘆の声を上げたということです。道具を使うスポーツでは、道具の性能が勝敗や成績を左右することは半ば当たり前ではありますが、水着ひとつでここまで明確な違いが出るというのも驚きです。北京五輪まであとわずかですが、水泳の決勝に出場した選手全員がLZR RACERを着用するなどという事態になれば、「真の実力勝負になって面白いのでは」と思うのは、私だけではないでしょう。
